橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

六本木「三州屋」

classingkenji2011-04-13

六本木に三州屋があることは知っていたが、まだ入ったことがなかった。今日はたまたま六本木へ出かけることになったので、入ってみることにする。ビルの建て替えで移転し、三年ほど前に再開した小さな店である。
六本木の繁華街から少し外れた、ちょっと暗い小路にたたずむ雰囲気がいい。中は明るく、三州屋の雰囲気が保たれている。メニューは、三州屋の定番メニューをやや縮小したようなもので、魚料理各種と鳥豆腐など。常連客が多いらしく、お客さんが店の人と親しげに話をしている。
この店だけのために六本木まで出かける、というような店ではないが、この界隈には個人営業テイストの大衆酒場がないので、用があったときには重宝しそうだ。東京ミッドタウンの近くだが、少々分かりにくい場所なので、地図を印刷していった方がいい。ミッドタウンは旧防衛庁跡地で、戦前は歩兵第一連隊営舎があった場所。外苑東通をはさんだ反対側が歩兵第三連隊営舎で、二二六事件はここから始まった。あとで気がついたが、この日は奇しくも、二月二六日だった。(2011.2.26)

港区六本木4-4-6
11:30〜23:30(日16:00〜) 無休