橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

本郷「白糸」

classingkenji2014-04-21

この日は研究会で本郷へ。内容は一九六〇年代の団地調査で、団地といっても経営主体(公団、公社、自治体)と地理的位置によってずいぶん多様だということを、改めて確認。研究発表をひと通り聞き、軽くコメントして終わり。そのあとの打ち上げは、ここ。
私の学生時代から、すでに老舗だった。本郷でもいちばん古い店のひとつだろう。メニューの中心はもつ煮込みともつ焼きで、いずれも安定した味。継ぎ足して何十年も使っているものだから、煮込みとタレの味がいい。メニューは幅広く、たいがいの居酒屋料理のほか、刺身が何種類もあるのがうれしい。味は大衆酒場クラスだが、コストパフォーマンスはいい。
東大の学生はもちろん、教員も通う。近くのサラリーマンも集まる。五時半にはほほ満員。地元で学び働く人々に愛されて、幾十年。おそらく、半永久的に続く店だろう。(2014.3.26)

文京区本郷5-1-1
17:00〜 たぶん日祝休