橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

福岡「海幸」

classingkenji2012-10-18

福岡へ一泊出張。東京で仕事を済ませてからの前泊は、ホテル着が一〇時過ぎ。ホテル近くで少し食べて飲んだだけだった。
翌日は、一時頃に仕事を終える。帰りの飛行機までは、四時間ほどだ。天神のあたりを歩き回ってみたが、昼からやっているめぼしい店は見つからない。ここならいいかと思ったひょうたん寿司は、満員盛況で長蛇の列。仕方がないので空港へ行き、買物を済ませてから食堂街へ。良さそうな店があった。店構えとケースのサンプルは大衆食堂だが、居酒屋メニューが横にずらりと並んでいる。日本酒も何種類かあるようだ。
まずは、生ビール。短冊メニューを見ると、呼子産のヤリイカ姿造り、ゲソの塩焼きまたは天ぷら付きというのが一六九〇円。これを注文することにする。酒は、福岡・八幡の「天心」にする。
イカは活け作りではなさそうで少し白っぽかったが、十分美味しい。むしろ、これくらいの方が甘味が強くてうまいのではないか。ゲソの天ぷらも、美味。酒も旨い。こうして一時間ほど食べて飲み、満足して帰途に就いた。天気がよく、大阪湾のあたりからずっと西日に照らされた海岸線を眺めていると、飽きることがない。駿河湾の向こうには、富士山もくっきり見えた。(2012.9.16)

福岡市博多区下臼井767-1 福岡空港国内線第2ターミナル 3F 10:00〜20:40