橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

江古田「鳳雛」

classingkenji2012-10-14

最近、日本酒の質の向上を背景に、日本酒の品揃えの充実した店が次々に誕生している。江古田にも新しい店がいくつかできているが、ここもそのひとつ。といっても、開店したのはもう2年ほど前で、私は今回が初めて。
日本酒は、二〇種類ほど。手書きのおすすめメニューもあり、南、車坂、常山、羽根屋、開運など。いい品揃えだが、グラスで九〇〇円前後とは、江古田にしてはやや高めだろう。黒板メニューの品数が多く、この日はサンマ、カツオ、〆サバ、きのこの天ぷら、きゅうりとみょうがの梅肉和え、磯つぶ貝うま煮など。席はカウンターのみのようで、一人で飲むにはいい雰囲気だ。後で知ったが、ラーメンが美味しいらしい。
江古田は若者の街。こういう店が増えて、若者たちも日本酒の味を知るようになれば、日本酒の低迷にも歯止めがかかってくるだろう。しかし、酒の値段がもう少し安ければいいのだが。(2012.9.11)

練馬区栄町3-5
18:00〜24:00(ランチあり) 不定