橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「さばのゆ」

classingkenji2009-07-10

かつて経堂に、塩原湯という銭湯があった。堂々たる伝統建築の銭湯で、ときどき落語会やライブなどのイベントも行なわれ、コミュニティ・センターのような役割をも果たしていたのだが、老朽化のため惜しまれつつ取り壊された。
そのイベントを仕切っていた「経堂系ドットコム」の須田さんが、銭湯をコンセプトに開いたカフェが、ここ。ご覧の通り、駿河湾からみた富士山の絵もある。魚や風船が浮かび、鯨の尾びれがみえるなど、ちょっとシュールだが。
店内は、テーブルが四つとカウンター席。いずれも、合板を組み合わせた簡単なもので、まだ工事中?というような、ともかく気さくな雰囲気である。酒は、プレミアムモルツがグラスで四〇〇円、バスやオーバルなど輸入ビールがボトルで七〇〇−一二〇〇円、日本酒がグラスで三〇〇−七〇〇円、焼酎各種が五〇〇円前後など。ホッピーはセットが五〇〇円、中二五〇円、外三〇〇円。料理はメインがおでんで、一個一〇〇円が大部分。あとは駄菓子の類や酢の物、奴など。
地元民の交流の場所だから、わざわざ遠くから出かけていくような店ではないが、同じような店を自分の街にも作りたいという人には参考になるだろう。うまく軌道に乗って、長く続いてほしいものである。(2009.7.3)

世田谷区経堂2−6−6
15:30〜 無休
http://sabanoyu.oyucafe.net/