橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

表参道「バルバッコア・グリル」

今日は学部の納会で、表参道へ。同僚のアンジェロおすすめの、ブラジル料理の店である。 テーブルにつくと、最初はビュッフェ形式の野菜料理と思い思いのドリンクで乾杯。すると、肉料理が次々に運ばれてくる。豚肉、鶏肉、ソーセージ、羊肉と、さまざまな部…

「海のそば」

大学からの帰りに、池袋へ寄る。見つけて入った立ち飲み屋が、ここ。店名の「そば」は「蕎麦」という意味でもあり、アゴ出汁の蕎麦を出すとのこと。経営は築地のマグロ専門仲卸店「相馬水産」とのこと。 ビールはサントリーで、プレミアムモルツ中ジョッキが…

椎名町「北の誉」

椎名町は、池袋から西武線に乗って一駅目。ほとんど都心のうちといっていい場所だが、下町風の庶民的な商店街のある住宅地だ。昔ながらの魚屋、八百屋、惣菜屋などが並び、いい古本屋もある。そして、居酒屋も。以前から入ってみたいと思っていた店に、入っ…

吉本隆明『吉本隆明の下町の愉しみ』

佃島で生まれ育った吉本隆明は、いったんは家族と共に公団の一戸建て住宅団地に移り住むものの、後には上野・千駄木あたりの下町、または地形的には山の手だが、下町的な雰囲気の濃厚な街に住み続けた。彼の下町への愛着を綴った文章は、小川哲生が編集した…

「日本酒スタンド 酛」

この日は、雑用を済ませてから新宿へ。まずは南口のかつてのドヤ街あたりを散策。そのあと、日曜日でもやっている日本酒の店はないかと考えて、思い出したこの店へ。ビルの地下一階で、細い通路に酒林が下がっている。コの字型カウンターの立ち飲み形式で、…

住吉「山城屋酒場」

この日は入試関係の会議のあと、少し空き時間があったので、東京都現代美術館で開催されている特別展「アートと音楽」を見に行く。評判通り、セレスト・ブルシエ=ムジュノの「バリエーション」は素晴らしい。大小さまざまな白磁のボウルが、水面をたゆたい…