なぎら健壱『絶滅食堂で逢いましょう』
なぎら健壱が、古き時代の雰囲気を色濃く残し、いつ滅びるかわからない(ように思わせる)食堂・喫茶店・酒場を巡り歩くという、雑誌連載の単行本化。赤羽「まるます家」の女性店員たちがずらりと並んだ、表紙の写真が素晴らしい。奥には、なぎら健壱が何ともいえない笑顔を見せている。
昼間に大衆食堂を巡り歩きビールを飲むというのは、自由業の特権で、なかなか真似ができない。ヒマになってらやってみたいものである。吉原の「桜なべ 中江」、森下の「はやふね食堂」は、ぜひ行ってみたい。
かつては日雇い労働者でいっぱいだった新宿の「食堂長野屋」のおかみは、「バブルがはじけたら、みんなホームレスになっちゃった」という。歴史のある安くていい店がなくなってしまう一因は、ここにある。私の老後まで、健在でいてほしいものである。
絶滅食堂で逢いましょう―なぎら健壱が行く東京の酒場・食堂・喫茶店
- 作者: なぎら健壱
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: 単行本
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