村上春樹『もし僕らのことばがウイスキーであったなら』
この夏、アイラ島へ行って、何カ所かのディスティラリーを見学してきた。もともとアイレイウイスキーは好きだったのだが、それ以来ますます好きになり、今では食後から寝るまでの間の酒は、たいがいウイスキーである。ロックでなめるように飲む。これまでは、のんべんだらりとビールやら酎ハイやらを飲み続けていたから、酒量もだいぶ減ったようで、なかなか健康的だ。
これは村上春樹が、妻の村上陽子さんとともにウイスキーを求めてを旅した記録。写真は、陽子さんによるものである。前半はアイル島のアイレイモルト、後半はアイルランドのアイリッシュだが、前半の方がずっと出来がいい。生ガキにアイレイモルトをかけて食べる話は垂涎もので、先日実際にやってみたが、たしかにいい食べ方である。「子供が生まれると、人々はウイスキーで祝杯をあげる。人が死ぬと、人々は黙してウイスキーのグラスを空ける。それがアイラ島である」という締めくくりも、気が利いている。
現在は文庫も出ているが、こういう本は大きなサイズで読みたいものである。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: 単行本
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