石原たきび編『ますます酔って記憶をなくします』
以前紹介した『酔って記憶をなくします』の続編。mixiのコミュでの投稿から傑作を集めたものだから、第二集となるとややインパクトが弱くなるのは、仕方のないところだろう。とはいえ、今回も抱腹絶倒のエピソードが満載。朝になってバッグを開けたら、生きた沢蟹がわさわさ出てきたり(前日、居酒屋で生きたまま持って帰ると注文したとか)、ガーンガーンと音がするので目をさましたら、友人が「どうしても向こう側へ行けないんだよ」といいながら、鏡に何度もぶつかっていた、友人の結婚式で、パンツ一枚でキャンドルを口にくわえ、テーブルの上ではしゃいでいるところをしっかりビデオに撮られてしまった、など。泥酔すると007になってしまう夫の話も、おもしろい。
前作と同様に、女性の投稿が多い。あとがき代わりの恩田陸と茂木健一郎の対談で、茂木は女性の方が自由に生きているのかもしれない、と言っている。付け加えれば、男性の場合には体面やら仕事・組織との関係やらで、笑い話にならないケースが多いからだろう。前作が面白いと思った人にはお勧め。一冊だけ読むなら、前作の方がいい。
- 作者: 石原たきび
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/04/26
- メディア: 文庫
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