「さばの湯」の鯖缶
帰り道に「さばの湯」に立ち寄ったら、店の真ん中に金色に輝く缶詰の山。店主の須田さんに聞くと、震災で全壊した木の屋石巻水産から、瓦礫と泥に埋もれた缶詰を買い取り、常連客たちが集まって洗ってきれいにして、売り出しているのだとのこと。缶詰は、五〇〇個。ラベルがはがれているので、缶に印刷された記号から中身を判断して、マジックで書いてある。大部分は金華鯖の水煮缶だが、穴子、カレイの縁側、玉こんにゃくなど、珍しいものもある。各種取りそろえて、一〇個ばかり買ってきた。
須田さんは三月八日を「サバの日」と定め、この日からイベントを繰り広げる予定だったが、始まった直後の震災以来、石巻への支援活動を繰り広げてきた。車で物資を送り、帰りに引き取った缶詰を持ち帰る、というサイクルである。先日聞いたら、もう缶詰は四〇〇〇個売れたとのこと。こんな支援活動もあるのである。(2011.4.29)
世田谷区経堂2-6-6 18:00〜深夜 月休