橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

大分「ふぐやの居酒屋 ぶるーむ」

classingkenji2011-02-21

大分はふぐの本場でもある。次に入った「ぶるーむ」は、老舗ふぐ料理店が「ふぐやの居酒屋」と称して営む店だ。なるほど、居酒屋である。店の中心は一四席あるL字型のカウンターで、ここに座れば、板前たちがふぐを調理する様子を見ながら飲むことができる。料理も居酒屋風だ。ふぐ柳川、皮せんべい、七味醤油焼き、あら炊きなど。ふぐ料理が本来、酒に合う肴であったことを再認識させてくれる。
支配人によると、とかく敷居が高くなりがちなふぐ料理の敷居を下げ、若い人たちにも親しんでもらえるようにと居酒屋を前面に出し、単品料理の種類を増やしてきたのだという。定番のふぐ刺しやふぐちりも単品で注文できるから、居酒屋風にいろいろ楽しんだ後、ふぐちりと雑炊で締めるということもできる。東京と比べれば驚くほど安く、しかも量が多いから、まさに居酒屋感覚で堪能できる。

大分市中央町3-2-24
17:00〜23:00