橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

加賀れんこんの団子汁

classingkenji2008-11-05

加賀れんこんは、デンプン質が多く、粘りけが強いのが特徴。煮物や天ぷらにすると、噛んだとき、シャキシャキというよりもねっとりとした食感が先行する感じになる。この特徴を生かして、団子汁を作ることも多い。簡単なのに、手がかかった料理のようにみえるので、お客さんに出すと感心されるだろう。
加賀れんこんは皮をむき、卸し金ですり下ろす。具材はあってもなくても良い。今回は季節の銀杏を使うことにした。銀杏は殻を割ってゆでるか、煎って薄皮を取る。これを中心に入れて、すり下ろしたれんこんを四センチほどの団子にし、皿に並べていく。できたらラップをして、電子レンジで加熱する。火が通ると、もちもちと粘りけのある団子になるので、これをあらかじめ作っておいただし汁に入れ、暖めれば出来上がり。いただくときには、好みで生姜やゆず皮などを天盛りにする。
加賀れんこんは、都内のスーパーなどでも売られているのを見かけるようになった。どうしても見つからなかったら、普通のれんこんをすり下ろした中に片栗粉を少し混ぜればいい。