下北沢「さかえ」
下北沢のやはり南口から、坂を下ったところを少し右に入った場所に看板がみえる。酒飲みなら、心惹かれずにはいられない店構えのやきとり屋である。店に入ると、真ん前に横に長いコの字型のカウンターがあり、左側にはテーブル席、奥には小さな小上がりもある。
店を切り盛りするのは、ご主人と二人のお嬢さんたち、そして男性の料理人。ご主人は、中村吉右衛門のような面構えで店の雰囲気を引き締める。二人のお嬢さんは、しつけが行き届いていて、注文を待つ間も無駄口をたたかず、無駄な動きもせず、凛とした面持ちで入り口の方を向いて立っている。料理人は、店にとけ込んで存在を前に出さない。いい雰囲気だ。
こちらのやきとりは、豚もつと鶏の両方がある。一本一五〇円。味は、最高クラスというほどのものではないが、いい線を行っている。カシラは、いったん蒸してから焼くらしく、とろりと口の中でほぐれる。白は、タレの味が良い。ビールはサッポロラガーで、大瓶六三〇円。生ビールは五八〇円、ギネスが七四〇円。日本酒は、一の蔵、菊水、立山、初孫、久保田、出羽桜など有名どころを一六種類そろえ、五三〇円から一〇五〇円。料理は煮込み(六三〇円)、冷やっこ(四二〇円)、さつま揚げ(五〇〇円)、ガツキムチ(六五〇円)など。落ち着いた大人の店である。(2008.10.25)
世田谷区代沢5-36-14 17:30〜23:00 日休