橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

自家製ジン

classingkenji2007-07-16

ジンとは、スピリッツにジュニパーベリーをつけ込み、もう一度蒸留したもの。だからゴードン・ジンの瓶などをみると、ラベルにジュニパーベリーの絵が描かれている。ところが、これがボンベイサファイヤの瓶になると、さまざまなハーブの絵が描かれていて、相当レシピが複雑だということがうかがえる。コリアンダーなどのスパイス、レモンやオレンジのピールなどを漬け込んでいるようだ。しかし、ジュニパーベリーが基本であることは間違いないので、ウォッカにでも漬け込めば自家製ジンが出来上がるはずだ。
というわけで、作ってみたのがこれ。漬け込んだあとで蒸留したりはしないから、琥珀色に色づき、少しフルーティーな甘味がある。しかし、その香りはジンそのもの。良質のウォッカを使おう。私が使ったのは、ロシア産のストリチナヤ。一ヶ月もすれば飲み頃になる。時間が経ちすぎると甘くなりすぎたり濁ったりするだろうから、果実は引き上げた方がいいかもしれない。これで作ったジンフィズは最高だった。ジュニパーベリーは、良質のものを選んだ方がいいと思う。