橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

銀座周辺

「銀座ライオン 銀座七丁目店」

久しぶりの、昼の銀座ライオンである。着いたのは午後四時過ぎだが、満席で少し待たされた。とはいっても、客の回転は速く、二−三分ほど。まずはいつもの通り、生小グラスを注文。四三〇ミリリットルの小グラスは、五八〇円。私がこの店に通い始めた二〇年前…

「吉乃川酒蔵」「三州屋」

今日は、ふと思い立って有楽町へ飲みに行くことにする。まず、以前から気になっていた丸三横町へ。二度往復しながら様子をうかがい、いちばん古そうな焼鳥屋に入る。七〇過ぎの女性と、その息子と思われる男性の二人で切り盛りする店だが、おそらく昭和二〇…

ビアホール「ライオン」

銀座七丁目にある銀座ライオンは、私のいちばん好きなビアホールである。菅原栄三の設計による、重厚でしかもリラックスできる内装、美しいモザイク壁画もさることながら、ビールの味がいい。おそらく、東京一といっていいだろう。ここへ来たら、まずは普通…