橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「蛍月」

classingkenji2015-01-23

この日は『居酒屋ほろ酔い考現学』文庫版の完成祝いで、この店へ。編集者たち三人と、打ち上げである。けっこう知られた店だが、何となく一人では入りにくいので、これまで行ったことがなかった。もとはといえば、名酒居酒屋さきがけの一つだった「味里」のあった場所である。
日本酒と日本料理の店で、十四代・東洋美人・王祿・遊穂鳳凰美田・磯自慢・而今など、名だたる名酒が八〇種類ほど揃う。料理は、品のいい日本料理と酒肴がずらり。私の好物の穴子の料理が何種類もあるのがうれしい。ただし値段はそれなりで、小ぶりの穴子が一本一四〇〇円ほど。日本酒は一合八〇〇−一四〇〇円が中心だ。やや薄暗く、品のいい照明の店内は、大人のデートに向く。個室もあるとのことで、接待にも良さそうだ。豊島公会堂のすぐ裏にある (2014.12.19)。

豊島区東池袋1-31-6 三昌ビル1F