橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

神保町「源来酒家」

classingkenji2014-11-07

この日は菱田春草展を見に竹橋へ行き、帰りはこの店へ。昔からときどき来ている中華料理店である。かつては日教組御用達の店で、役員たちと何度か来たことがある。
中華料理といっても、ここの料理は上海の近くの寧波という土地の料理で、薄味の味付け。とくに前菜など、懐石料理にも通ずるところがある。写真は前菜盛り合わせで、ホッキ貝や海老の煮物など薄い醤油味で日本料理として出されてもおかしくない味。細切りのクラゲは繊細で、舌や耳の煮物も、品がいい。干豆腐のサラダ、中国もちと青菜炒め、餃子なども美味しい。良い紹興酒をおいているほか、日本酒も数種類。人数が揃うようなら、コース料理がお勧めだ。(2014.10.20)

千代田区神田神保町3-3
11:00〜23:00(土・日・祝〜21:00) 無休