橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

本郷「皐月」

classingkenji2014-08-14

この日は、東大の社会科学研究所で、古い調査資料をデジタルカメラで撮影する作業をする。学生を一人連れて、三脚を二本立て、一枚一枚撮影。最近のデジタルカメラは解像度が高いので、数十センチの距離からの接写だと、肉眼で見えない部分まではっきりと写る。どれくらい細かいところまで写るかというと、下の実例の通りだ。細かな文字情報を含む資料の保存に写真が使えるようになったというのは、デジタルカメラが学術研究に与えた最大の利点のひとつだと思う。
今回のような接写の場合、文書の大きさが途中で変わる場合もあり、ズームレンズが便利だが、単体レンズに比べて解像度が劣るのが難点。しかし最近のズームレンズ、しかも一眼レフのおまけに付いてくる標準型ズームの解像度はおどろくほど向上している。ズーム端で使うのはやめた方がいいが、たとえば18-50mmのレンズなら、24-40mmくらいで使うと歪みも収差も少なく、まったく問題がない。
作業のあとは、資料の借り出しでお世話になった研究仲間も一緒にこの店へ。ステーキ中心のダイニングバーだが、ちょうど「シュワシュワ祭り」というのをやっていて、ビール、スパークリングワイン、カクテルなど発泡性のドリンクがすべて半額とのこと。というわけで、三人でビール(二五〇円)八杯、スパークリングワインのボトル(一六五〇円)を二本、料理を七品注文して、会計は一万二〇〇〇円を切った。これくらいなら、快くおごってやれるというもの。店の写真は取り忘れたので、料理をひとつ。この山盛りのプロシュートが五九〇円である。シュワシュワ祭りは、まだやっているはず。(2014.7.15)

文京区本郷5-24-2 グレースイマスビルB1
11:30〜14:00 17:00〜24:00 日休(ランチは月−金のみ)
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