橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

人世横丁・跡地

classingkenji2014-02-10

二〇〇八年に消滅した人世横丁。跡地はしばらく駐車場になっていて、なんともいえない無常感を漂わせていたが、二〇一一年の暮れになって、ニッセイ池袋ビルが建った。ご覧の通りの二一階建て。どうせなら、人世横丁の店を、地割りそのままで地下に収容するくらいの太っ腹を見せてほしかった。
かつての面影を偲びながら、向かいの「日本橋紅とん・池袋東口店」でホッピーを飲む。ここに来た理由は、実はもうひとつ。最近、教え子の女性が亡くなった。詳しくは分らないが、過労死の疑いが強い。同期の集まりで彼女と最後に会ったときに来たのが、この店だった。
飲みに行く時はたいていコンデジだが、たまにはいいカメラとレンズで撮ってみた。CANON EOS 60D, EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM, 絞り開放, 1/30 である。