橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

ニッポンクラフトビアフェスティバル 2014 in すみだ

classingkenji2014-01-31

ほぼ毎年行なわれている(昨年は行なわれなかった)ニッポンクラフトビアフェスティバルに、久しぶりに行ってきた。場所は、浅草のすみだリバーサイドホール。十一時からの開催で、十二時少し前にいったところ、すでに満員盛況。若い人が多いのに驚く。
三八〇〇円の前売り券を買ったのだが、試飲のチケットが一〇枚ついてきた。ブラスチックのカップをわたされ、好きなビールのブースへ行ってチケットを渡し、ビールを注いでもらうシステム。予告では試飲は一〇〇ミリリットルとのことだったので、一〇杯でたった一リットルかと思っていたが、実際には一五〇ミリリットル近く注いでくれることが多かった。
ある時期まで日本のクラフトビールは、カスケードホップを多用した柑橘系の香りのものばかりが目立ったが、最近はそうでもないようで、英国系ホップを使った正統派エールが増えて来たようだ。これは、いい傾向だろう。若者を、まずカスケードを多用したアメリカンエールでクラフトビールに目覚めさせ、次に正統派エールで飽きさせずにクラフトビールファンにする、というのがいい戦略だろう。写真はクラフトビール界の英雄、両国・ポパイ店主の青木辰男さん。(2013.1.18)