橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

『盛り場はヤミ市から生まれた』

三年前から続けてきたヤミ市研究会の成果が、ようやくまとまりました。執筆者は建築史・都市史を学ぶ三〇歳前後の若手研究者が中心で、東京の戦後ヤミ市の全体像を描くとともに、新橋、新宿、渋谷、吉祥寺、神戸、盛岡のヤミ市・マーケットに関する各論、ヤミ市を描いた文学、作家・文化人の日記に描かれたヤミ市ヤミ市の建築様式などを論じた章を収めています。巻末には、ヤミ市研究の先駆者・松平誠さんへのインタビューと、ヤミ市関係文献・資料目録、東京のヤミ市地図などを収めています。ヤミ市に関心をもつすべての人に読んでいただきたい一冊です。

盛り場はヤミ市から生まれた

盛り場はヤミ市から生まれた