橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

札幌「魚平」の八角

classingkenji2012-12-07

この日は、学会の大会で札幌へ。大会の後は、懇親会など無視して狸小路へ。以前も来て気に入っていたこの店である。この店の特徴は、なんといってもサッポロクラシック生を含む飲み放題六〇分八八〇円。中ジョッキは四三〇円なので、二杯飲むとほぼ同額で、三杯飲めば元を取って余りある。
今日は八角の刺身があった。品のいい白身でありながら、適度に脂がのっていて、実においしい。この店は、何でも安くて美味しい知られざる名店。ほとんどが地元の常連客だが、間口が大きく明るいので、観光客でも入りやすい。ちょうど日本シリーズも山場。翌日もここで飲んだが、客の多くは敗色濃い試合を横目で見ていて、負けが決まった瞬間、店中からため息が漏れた。(2012.11.3)

札幌市中央区狸小路6丁目 西端
16:00〜22:30