橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「稲水器 あまてらす」

classingkenji2012-05-13

週刊誌の記者から取材申し込みがあった。居酒屋の歴史とおすすめ居酒屋について話が聞きたいとのこと。それで前から行きたいと思っていたこの店を、場所に指定した。池袋駅から少々距離があり、五叉路を過ぎたあたりにある。
自慢の日本酒は、東洋美人と而今をメインに、秋鹿、遊穂など。米を作る田んぼを限定した酒や、古酒などもあり、かなりマニアック。堂々たる濃醇タイプの純米・純米吟醸が大部分で、日本酒の良さを堪能できる。大塚の名店「串駒」で経験を積んだという若い店主が始めた店。燗にはとくにこだわりをみせ、実に丁寧に時間をかけて、それぞれの適温で出してくれる。開店からまだ七ヶ月だが、すでに多くのファンをつかんでいるようだ。料理が出てくるのにはやや時間がかかるので、メニューをよく見て考えて、まとめて注文するといい。(2012.4.24)

豊島区東池袋2-62-10
金土日祝前18:00〜27:00 それ以外18:00〜24:00 不定