橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「酒菜家」

classingkenji2012-05-03

この店へ来たのは、何年ぶりだろう。このブログを始める前、自分のホームページに「私の好きな居酒屋」というコーナーを作っていた時に紹介したことがあるが、それから一〇年以上は経っているはずだ。そのときには「若者向けの雰囲気は、好みが分かれるかも」などと書いたのだが、時を経て熟成し、品揃えも変わり、立派な大人の居酒屋になったようだ。
品揃えでは、まず何よりも日本酒が豊富になった。以前は有名地酒が多かったと記憶しているが、今日のメニューを見ると「刈穂」「出雲富士」「白露垂珠」「石鎚」など、近年評価の高い酒が並んでいる。それぞれの酒に値段が三通りついていて、それぞれ〇・七合グラス、枡付一・四合、二合徳利とのこと。〇・七合だとたいがいの酒が四〇〇円前後だから、良心的だ。
私のよく行く「萬屋松風」の向かい側、人気店の「魚金」の二階にある。(2012.4.17)

豊島区西池袋1-35
17:00〜23:30(日・祝 16:30〜) 無休