橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

方南町「野方屋」

classingkenji2012-03-09

思い出横丁「野方屋」の壁に、店の写真があった。方南町は行ったことがない場所だが、ちょうどいい機会。行ってみることにする。大学から大江戸線丸ノ内線と乗り換え。そもそも、丸ノ内線の分岐線に乗ったのは初めてかもしれない。駅からは、少し距離があり、方南通りを新宿方向へ三分ほど戻った場所だ。
メニューと値段は、高円寺店とほぼ同じ。串焼きは一一〇円が基本で、ラインナップも同じ。味噌だれの味が、少し甘めかもしれない。ホッピーやサワー類に使う焼酎を凍結させた「シャリナカ」というのがメニューにあり、シャリナカだけでも注文できるというのが、ちょっと変わっている。「シャリキン」と称さないのは、金宮ではないからか。聞くと、シャリナカの梅割りもできるというので、注文してみた。かき氷のように凍結した焼酎の上半分だけが、うっすらと梅色だ。これはカクテルとしても秀逸な一品。
広い意味では中央線沿線といっていいと思うが、高円寺の駅までは三キロほどある。むしろ近いのは京王線笹塚駅。ほとんど世田谷との区界近くで、自宅まではタクシーでも二〇〇〇円ほど。私にとっては便利な場所なので、また来ることにしよう。(2012.2.8)

杉並区方南2-18-3
17:00〜27:00 無休