橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

石神井公園「満天」

classingkenji2011-08-03

今日は、必要があって板橋から練馬にかけて歩きまわる。浮間舟渡をスタートに、西台、中台、上板橋東武練馬、下赤塚、光が丘と通って、石神井公園まで行くつもりだったのだが、さすがに疲れて、光が丘からはバスに乗る。石神井公園は、おそらく初めて来た。池に沿ったあたりには、豪邸と豪華マンションが建ち並ぶ。練馬区随一の高級住宅地といわれるだけはある。
ひととおり歩いた後は、当然居酒屋を物色するのだが、なかなか適当な店が見つからない。再開発ビルらしいマンションの地下にあったのが、この店。表のホワイトボードに、鰹たたき四〇〇円、もつ焼き九五円、馬刺中トロ五〇〇円、生ビール四三〇円、ホッピーセット三七〇円などと書かれていて、コストパフォーマンスが良さそうなので入ってみた。
昔の地下食堂街の食堂といった感じの店構えだが、綺麗な字の手書きメニューが壁に所狭しと貼られている。どれも安い。馬刺は、中トロというには少しサシが少なめだが、合格点。もつ焼き、鰹の刺身は、ごく普通の味。ホッピーは、家庭向けの三三〇ミリ瓶だが、これだけ安ければ文句はない。この辺で、気軽に入って気軽に飲むにはいい店だと思う。(2011.7.8)

練馬区石神井町3-25-21