橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

松江「大衆割烹なわのれん」

classingkenji2011-07-28

二軒目は、この店。普通の店構え、普通の店内だが、この店は当たりだった。郷土料理系居酒屋だが、メニューの種類が多く、しかも安い。しじみの酒蒸し(六〇〇円)は、濃厚ながらすっきりした味。アゴの子の煮付け(五〇〇円)は、プチプチとした歯応えが楽しめる。巨大な岩ガキ(九五〇円)は、食べ応え十分。地酒を四種類、豊の秋、国暉、李白、千代むすびと置いていて、飲み比べができる。宴会場もあるらしく、地元の人が多数出入りしている。名店然としたところがなく、気さくな感じというのも好ましい。いい店を見つけた。(2011.7.2)

松江市東本町2-16