橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

松江「やまいち」

classingkenji2011-07-25

仕事で松江へ。夜は当然、飲みに行くわけで、とりあえず向ったのはこの店。大橋川の川縁にあるこの店は、太田和彦の「居酒屋味酒覧」にものってるから、名前だけは知っている人もいるだろう。
カウンター一〇席ほどと小上がり三卓と、こぢんまりとした店内は、手入れが行き届いた感じ。郷土料理系居酒屋なのだが、季節柄、七珍はモロゲエビとシジミだけ。モロゲエビは思ったより小さく、凝縮したような味だった。暑い一日だったので、生ビール(エビス)を立て続けに二杯飲んだあとは、地酒の「豊の秋」。豊の秋は、松江の市街地にある酒蔵で、その名の通り豊かな米の味がする。身がぎっしり詰まった自家製蟹コロッケも、美味しかった。一見の旅人に優しい接客で、心落ち着けることができる。(2011.7.2)

松江市東本町4-1
16:30〜21:30 不定