橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

横浜「揚州茶楼」

classingkenji2009-06-11

今日は、なぜか、横浜で「地球のハラペコを救え ウォーク・ザ・ワールド」なるイベントに参加。この種のものに関しては、経費をかけてイベントなんかやるより寄付した方がいいんじゃないの、と考えてしまう方なのだが、横浜市街を歩いて一周するなんて、なかなか機会があることじゃない。それに、終わってから中華料理を食べながら飲むビールはうまいだろう、という不純な動機で参加。天気は快晴。たいへん気持ちのいい一〇キロウォーキングだった。
午前一〇時にパシフィコのそばを出発し、歩き終わってスタート地点に戻ったのが一二時二〇分ごろ。そこからシーバスで山下公園まで行き、中華街でレストランを物色。あまり混んでいなくて、安くコース料理の食べられる店を探し、北京ダックとアワビが入って三五〇〇円というのにひかれて入ったのが、この店。まずはキリンビールを渇いた喉に流し込んで、めったにない快感を味わう。
はっきりいって、横浜中華街には失望させられたことが少なくない。一時期はガイドブックに必ずといっていいほど載っていたある店など、豚肉の煮込みが名物だというので注文してみたら、ちょっと茹でただけのようなバラ肉に、ケチャップのようなタレがかかって出てきただけ。そこまでひどくなくても、近所の中華の方が美味しいと思ったことは何度かある。最近は、店の姿勢も改善されたのか、あまり失望することはなくなった。今日の料理も、合格点。とくにフカヒレ入りアボカドのスープと、牛肉と空豆マスタード風味が良く、アワビと干し貝柱の煮物もまずまず。北京ダックは三×五センチくらいのものが一人一枚だけ。肉も一緒につけてくれれば、文句はなかったのだが。
この店、全般的にコースが安い。北京ダック半羽を三人で分けて食べるコースなど、一人一五七五円とのこと。慣れた雰囲気のバス運転手とガイドさんのグループが来ているくらいだから、まちがいない。ちょっと中心部を外れているので、さほど混んでいないのもいい。(2009.6.7)

横浜中華街中山通り
(045)641-0523