橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「トロ函」新宿思い出横丁店

classingkenji2008-09-29

久しぶりの新宿、もうひとつの驚きはこれ。なんと、旧やきとり横丁の南側、第二宝来家の隣に「トロ函」ができている。新小岩赤羽に次いで三店目。メニューは基本的に同じで、焼物をテーブル上で焼いて食べさせるところも、またホッピー、天羽ハイボール、ホイスと、下町ドリンク三種が揃っているところも同じ。ほぼ満員で、三〇歳前後の客を中心に、大いに繁盛していた。この店が来たからには、この横丁もますます発展、と期待したいところ。
店は、ちょっと狭いのが気になる。この横丁の店だから、ある程度は仕方がないのだが、新小岩や赤羽に比べれば家賃が高いからだろう、スペースファクターを考慮して席を詰めこんでいるようだ。手前に広いテーブルが並んでいてバリヤーのようになり、カウンター席に座るのに、一度奥に入ってからカウンターの後ろを道路側に戻ったりしなければ座れない。ここは難点だが、同じ値段で出すためには仕方がない。この店に惹かれて横丁を知った若者たちが、次の世代の常連客になっていけばいい。(2008.9.20)

新宿区西新宿1-2-5
月〜金 16:30〜23:00
土・日・祝 15:30〜23:00 無休