「消えた」やきとり横丁
久しぶりに、新宿西口へ。驚いた。西口の北側、小田急ハルク向かい側線路際の飲食店街は、線路に面した通りが「やきとり横丁」、その一本西側が「思い出横丁」のはずだったのだが、両方とも「思い出横丁」になっている。たしかに、この名前の方がしっくりくるし、はじめて来る人にもアピールするだろうけれど、寂しい気もする。拙著『居酒屋ほろ酔い考現学』では「やきとり横丁」として紹介し、この「やきとり」という言葉を鍵に論を展開したのだが、早くも記述が現状に合わなくなってしまった。
「思い出横丁」を含む新宿西口商店街では、二〇〇三年に再開発準備組合が結成され、新聞などでも取り上げられたが、合意形成がすすまないまま、二〇〇七年には解散している。今になって改称したということは、おそらく「思い出横丁」として今後も存続・発展を図っていこうという合意ができたということのあらわれと解釈したい。(2008.9.20)