橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

イスタンブールは猫の街

classingkenji2008-08-11

3泊4日の予定で、イスタンブールへ。パリからは、飛行機で3時間半くらいである。空港は、トルコ建国の父であるケマル・パシャの敬称をとってアタトュルク空港といい、ここからメトロに乗って30分ほどで中心部に着く。メトロと路面電車は1.4トルコリラ(約140円)でどこへでも行けるから、格安。街は、活気にあふれている。車が多く、道路はかなり混雑していて、クラクションがけたたましく鳴っている。街を歩けば「コンニチワ」と日本語で声をかけられることが多い。ヨーロッパでは東洋人というと中国人の方が多数派で、「ニイハオ」と声をかけられることが少なくないが、こちらでは日本語である。最大の目的は、もちろんトルコの酒を飲みながらトルコ料理を食べることだが、注意しなければならないのは、トルコには酒を出さないレストランが多いこと。トルコはイスラム圏では例外的に酒に寛容なのだが、それでもモスクや学校の近くでは酒を売ってはいけないことになっているのである。入る前に、メニューを確認するか、店の人に聞くのが賢明である。
街を歩いていると、しょっちゅう猫に出会う。猫好きにとっては、うれしい街である。レストランのテラス席で食事をしていると、猫が寄ってくる。大部分は野良猫のようだが、住民たちにかわいがられていて、食うには不自由していないようだ。料理と酒については、また日を改めて。