橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

御徒町「池田屋 御徒町本店」

classingkenji2008-02-28

土曜日だというのに朝から大学で会議を四つもこなし、解放されたのは五時すぎ。アクセサリーを買いに出かけていた妻と待ち合わせたのは、御徒町である。入ったのは、落ち着いた普通の居酒屋風といった趣のこの店。土曜日サービスで、いつもは五五〇円の生ビール大ジョッキが四二〇円ということなので、当然これを注文。この店、本支店など近隣に数軒あるが、経営は御徒町駅前に大きな店を構える食料品小売の「吉池」とのこと。「吉池」は新潟とも関係が深いので、新潟の地酒が充実。八海山、久保田、麒麟山、越乃寒梅、〆張鶴景虎などが一合八〇〇−九〇〇円で、三種類選べる利き酒セットが一二〇〇円。料理は魚介類が中心。身欠き鰊と大根煮(五八〇円)、カジキのひれ焼き(六五〇円)をいただいたが、いずれも美味しかった。日本酒がいろいろあり、魚料理が美味しくて、値段は特別安くはないが良心的。近くに勤める中高年サラリーマンなら、長くつきあえる店だろう。(2008.2.16)

池田屋 御徒町本店
台東区上野5-22-8 
03-3834-0141
11:30〜14:00、17:00〜23:20 日休