橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「まるよし」

classingkenji2008-02-19

今日は、大学の雑用が早く終わったので、久しぶりに赤羽へ行く。板橋に住んでいた頃、赤羽はバス一本だったのでよく飲みにいったが、今では「よし、行くぞ」とちょっとした決意のいる場所になった。それでも年に一、二回行っているのは、それだけ好きな場所だから。着いたのが五時少し前だったので、昼から空いている「まるよし」へ。前回来たのは二〇〇六年の七月だから、一年半ぶりになる。客の多くは、地元のご隠居さんたち。あとは、営業が早く終わったという感じの直帰サラリーマンが二人ほど。ホッピーを飲みながら、しばしご隠居さんたちと店の人の会話に耳を傾ける。「バレンタインデーで、マッシュルームもらったよ」「あら、マシュマロでしょ」「あ、そうか、マシュマロ」(笑)。「あれ何たっけ、そうだ、橋下。あんなのテレビに出てなきゃ当選しねえよなぁ」「そうだそうだ」。和やかな、地元の飲み屋である。外に出ると、看板の上に月が出ていた。(2008.2.15)

まるよし
東京都北区赤羽1-2-4
14:30〜23:30 日休