橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「ガラム・マサラ」

classingkenji2008-02-18

経堂西通りにある、インド料理の店。店主はインド人のハサンさんで、もともとは工学系の留学生として日本に来たらしい。料理についても研究熱心で、メニューは豊富。フラッシュムービーを多用したホームページも作っておられる。料理は何でも美味しい。十種類以上あるカレーはもちろんのこと、肉、魚介類、野菜などの鉄板焼きはビールに最高の相性。特に私が好きなのは牛モツをスパイシーな味付けで焼いた「ブリパジャ」。インドで牛を食べるのかという疑問もあろうが、インドにはムスリムもたくさんいるので、料理はいろいろあるとのこと。うれしいことに、この店はビールの種類が多い。インドビールのほか、チェコのブドバーやウルケル(残念ながらこの日は売り切れ)、英国のバス、ドイツのレーベンブロイ、フィリピンのサンミゲル、日本製はサッポロ黒ラベルとキリンのハートランドなど、十数種類。インド料理はビールにもっとも相性の良い料理の一つだから、他のインド料理店も見習ってほしいものである。香ばしくふっくらと焼かれたナンも最高。インド料理好きなら、遠征していく価値がある名店である。(2008.2.14)

ガラムマサラ
世田谷区経堂3-37-20 
TEL 03-3427-1985