橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「銀座ライオン銀座七丁目店」

classingkenji2008-01-30

今日は、「居酒屋とり橋」のオフ会。集合は午後三時、待ち合わせ場所は、この一階ビアホールである。今回の参加者は、私と女将、大瀧さん、そして京都から来られたLiさんの四人。大瀧さんとLiさん、そして今日は不参加のゆーこさんは、昨日「みますや」に集合し、そのあと十条の「斎藤酒場」と赤羽の「八起」をはしごされたとのこと。なんと豪華なラインナップだろう。今日は薄曇りで、一階ビアホールに窓から柔らかい日差しが注ぐ。水以上に透明な生ヱビスが、黄金色に輝く。これが、真昼のビアホールの醍醐味というものだ。札幌の「クラシックホール」がなくなった今、ここは間違いなく日本一のビアホールである。六〇代後半かと思われる男性のグループ客が、何組もいる。この近くで働いていた者たちの、同窓会だろうか。いつの時代も変わらないビアホールだからこそ、そんな集まりには実にふさわしい。私が人生の最後に立ち寄るビアホールは、ここと決めている。(2008.1.26)