橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

札幌「東京ビーム」

classingkenji2008-01-26

札幌にホッピーはあるのか。東京在住の大衆酒場好きとしては、これは避けて通れないテーマである。『古典酒場』で「ホッピーの北限」の一つとして青森の居酒屋が取り上げられていたところをみると、見込みは明るくなさそうだが、実際のところはどうか。ホテルでネット検索してみたところ、何軒かが見つかった。残念ながらススキノ中心部にはないようだが、歩いて数分のところなら一軒あるようだ。ススキノの交差点からラーメン横丁のある方向へ一本東側の通りを南へ歩き、成田山幌別院を過ぎたところで左に曲がると、道の右側に看板がみえる。中は若者相手のよくある居酒屋で、客も若者が多いが、確かにホッピーのポスターがある。さっそく、飲み物を注文。サッポロクラシック(四九〇円)と三冷ホッピー(四八〇円)のジョッキが並んだ光景は、なかなか感動的である。こんなことで感動するのは、私のようなホッピー・ファンの大衆酒場好きくらいのものだろうけれど(笑)。ちなみにメニューの中心は串焼きで、鶏、豚、牛、さらに羊と四種類が揃う。羊肉のジンギスカン串は、たれをつけて焼いたジンギスカンの味。牛ホルモン串は、焼肉屋のホルモンの味。豚トロ、鶏ネックは、東京で食べるのと同じような味だった。札幌出張でホッピーに飢えた時は、こちらへどうぞ。(2008.1.20)