橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

下北沢「てっちゃん」

classingkenji2007-09-28

学期が始まって、とたんに忙しくなった。八時ごろまで大学に残って雑用を片付け、帰りに下北沢で途中下車。目指すはヤミ市横丁の、下北沢北口市場である。最近できたと思われるやきとり屋が、ここ「てっちゃん」。店名の通り、先日行った吉祥寺「てっちゃん」の姉妹店である。「てっちゃん」はビデオインフォメーションセンターという家電の会社と関係があるらしいが、この会社はハモニカ横丁に多くの店舗を展開している。次の展開先が、やはりヤミ市の下北沢北口だったということか。ただし、下北のこの店はやや小さい。メニューも少なく、串焼きは鶏だけで豚はないし、魚の刺身などもない。しかし、ホッピーの出し方は同じで、串焼きも美味しい。鶏の肉の切れ端、皮、ハツ、それに豆腐が入った煮込みも美味しい。この店は、焼酎を売る酒屋が併設されている。併設というより、同じ店内にあるというべきか。そこになんと、キンミヤ焼酎の六〇〇ミリリットル瓶(五〇〇円)、そして業務用のホッピー三六〇ミリリットル瓶(一二〇円)が売られている(写真)。ホッピーの好きな人は、ここで買うといい。閉店直前だったので、客はまばら。二〇−三〇代の女性フリーター二人組と、職業不明(たぶん業界系フリーター)の四〇代男性二人組が、意気投合して盛り上がっている。向こうには、四〇代女性二人組。そして四〇代男性の一人客など。堅気のサラリーマンらしき人が見あたらないのが下北風。北口市場は、再開発で風前の灯火。こういう若い会社には、ぜひ頑張ってほしいものである。