橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

神保町「やきとり屋」

classingkenji2007-08-29

神保町の三省堂書店の二本裏側あたりにある焼鳥屋。名前の通りの焼鳥屋で、焼きとんはない。ここの名物は、生樽ホッピー。写真でご覧の通り見事にクリーミーな泡は、名ビアホールのビールに通ずるものがある。味は、申し分ない。TOKIO古典酒場の編集長が「蜂蜜のようなトロリとした甘さ」と形容しておられるが、たしかにその通り。ホッピー全体に通ずる独特のうま味(甘味)が凝縮したような趣だ。焼き鳥もおいしい。とくに「背肝」と呼ばれる膵臓のタレ焼き(写真右下)が良かった。ホッピー社の副社長(愛称・ホッピーミーナ)が絶賛したというのもうなずける。周辺のサラリーマンやOLでけっこう混んでいるが、入れないことはない。(2007.8.28)