橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

鯛のXO醤蒸し

classingkenji2007-08-28

一昨年、シドニーの中国街で食べた牡蠣のXO醤蒸しがすばらしくおいしかった。帰国して作り方を調べ、いろいろ素材を選んだり手抜きをしたりして、今ではすっかりわが家の定番となっている料理法である。まず、XO醤を紹興酒で溶いておく。これを、フライパンか平鍋に薄く油を敷き、魚や貝などを載せた上へ回しかける。蓋をして弱火で蒸し焼きにする。水分が少なくなったら、焦げ付かないように紹興酒か日本酒を追加する。火が通ったところで香菜を載せ、醤油にニョクマムを少し混ぜたタレを上からかけ回して出来上がり。本来は、仕上げに熱した油をかけ回して香りを立てるのだが、カロリーが多くなりすぎるので省略。今回使った鯛は、身が少々厚めなので、片身は削いで粉をつけて揚げておき、後で合わせた。フルボディの赤以外の酒なら、たいていのものに合う。これまで、牡蠣、帆立、穴子、黒むつ、鮭、鱈などいろいろ試したが、何でもおいしくできる優れた調理法である。