橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「きくや」の「鶏ハラミ」

classingkenji2007-07-21

鶏ハラミは初めて食べた。一般にハラミというのは、横隔膜のこと。サガリと呼ぶこともある。牛のものなら焼肉屋でよく見かける。カルビによく似ているが、軟らかく、脂はやや少なめで、値段は安い。解剖学的にいうと横隔膜はほ乳類の特徴で、鳥類にあるのは斜中隔というものだから少々違うが、役割は同じようなものだろう(たぶん)。しかし体が小さい鶏のことだから、一羽で数グラムしかとれない。これを集めたのだから、貴重品である。写真で見るとおり一串に四ピース、二本で八羽分ということになる。画面が烟っているのは、焼きたてで勢いよく湯気が出ていたから。一本一五〇円。弾力があり、淡泊ながらしっかりした味がある。ただし、いつでもあるわけではないようだ。