「きくや」の「鶏ハラミ」
鶏ハラミは初めて食べた。一般にハラミというのは、横隔膜のこと。サガリと呼ぶこともある。牛のものなら焼肉屋でよく見かける。カルビによく似ているが、軟らかく、脂はやや少なめで、値段は安い。解剖学的にいうと横隔膜はほ乳類の特徴で、鳥類にあるのは斜中隔というものだから少々違うが、役割は同じようなものだろう(たぶん)。しかし体が小さい鶏のことだから、一羽で数グラムしかとれない。これを集めたのだから、貴重品である。写真で見るとおり一串に四ピース、二本で八羽分ということになる。画面が烟っているのは、焼きたてで勢いよく湯気が出ていたから。一本一五〇円。弾力があり、淡泊ながらしっかりした味がある。ただし、いつでもあるわけではないようだ。