橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

思い出横丁「一富士」

classingkenji2007-07-13

思い出横丁の中ほどの西側には、古くから営業していて、良心的な値段で、しかもまあまあ入りやすい店が数軒並んでいる。ここは、その一軒。ビールはサッポロ黒ラベルの中瓶が五〇〇円、焼酎・酎ハイは四〇〇円、個々の料理の価格は明示されていないが四〇〇−六〇〇円とのこと。串焼きは五本セットなのが残念だが、種類もタレ塩の別も自由で、目の前の炭火で焼いてくれる。客は、ネクタイを外したサラリーマンが中心だが、中高年の自由業風も。二階もあるとはいえ狭い店で、夫婦と店員、計三人でやっている。思い出横丁入門に、まずはこのあたりから入ってみてはいかがだろう。向かいには「つるかめ食堂」もあるので、梯子酒もできる。(2007.7.12)