橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「やきとんひなた 池袋西口店」

classingkenji2018-01-07

今年の外飲み初めは、例年通り元旦の銀座ライオンの銀座七丁目店だった。そしてモツ初めは、まだほとんどのモツ焼き店が正月休みの二日に、「テング酒場」で。チェーン店じゃないかと思われるかもしれないが、これがよかった。ふだんも並みの店よりは美味しいモツ焼きを出すのだが、この日は正月休み明けということで仕込みができておらず、注文してから肉の塊を出して切って串に刺すという、「石松状態」だったのである。
そして本格的な外飲み初めは、この店で。快進撃を続ける「ひなた」グループのいちばん新しい店であり、自宅から最も近い店でもある。もともと、あの日本酒の名店「三春駒」があった場所に、昨年九月にオープンした。何度も来ているのだが、ここで紹介するのは初めてだ。モツ焼きも、煮込みも、そして鮮魚刺しも、「ひなた」グレードだ。日本酒も常時一〇種類ほどあり、この日は「名倉山」「澤屋まつもと」「姿」「篠峯」など。難点といえば、手作り感満点の椅子が、少々座りにくいことくらいだろう。池袋西口を出て、立教通りを入ってすぐの左側にある。(2018.1.6)

豊島区西池袋3-29-11 ファーストビル 2F
17:00〜23:30 土日祝16:00〜 無休