橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

門前仲町「ゆうちゃん」

classingkenji2012-11-21

この日は、まず下町フィールドワーク。浅草からスカイツリーの前を通り、ここから京島・橘銀座界隈へ。さらに東へ進んで旧中川に至り、現中川との接続の様子を確認してから、旧中川沿いに南下する。亀戸天神で亀の大群を観察し、そこからさらに南下して運河沿いに門前仲町へ至る。一五キロくらい歩いただろうか。
まずは深川不動参道の折原商店で日本酒を少々いただいてから、辰巳新道へと入り、噂に高いこの店へ。噂に違わず、ごぢゃごちゃとした外観に圧倒される。しかし中に入ると、わりと普通の居酒屋だ。L字型カウンターのみで、七−八人しか入れない。おすすめのマグロぶつ、馬のもつ煮込みは、コストパフォーマンス最高。入荷したばかりの白子ポン酢は、初物らしい澄んだ味で、ご主人の出身地・会津の酒に合う。
好みは分かれるが、いい店だ。狭いので、予約した方がいい。(2012.10.19)

江東区門前仲町2-9-4