橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

西荻窪「にぎにぎ一」

classingkenji2012-02-29

二軒目は、ここ。「にぎやかにぎり」を略して「にぎにぎ」。一は「いち」と読む。立ち食い・立ち飲みの寿司屋で、ネタは上質。値段は一貫一〇〇円の普通ネタと、三〇〇円の高級ネタが中心だが、味は高級寿司店並み。L字型カウンターはいつも一杯で、七人も入れたのは幸運だとのこと。実際、あとから人が増えてきて「ダーク」状態になる。すると「古典酒場」の美人編集長(写真中央のコート姿の女性)が、「私、丸いからダークしても変わらないんです」と笑いをとる。
店の外にもビールケースを積み上げたテーブルがあり、ここで飲み食いもできる。ちょっと酔い覚ましに出て、すぐ戻ってくることもできたりする。近くに住んでいたら、はしご酒の合間に数貫だけ、という使い方もできるだろう。(2012.1.26)

杉並区西荻南3-12
13:00〜22:00 水休