橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「日本橋紅とん 池袋東口店」

classingkenji2010-12-17

今日は三年前の卒業生の同窓会に呼ばれて、池袋へ。コース料理と飲み放題の店で一次会の後、「二次会は先生にお任せ」というので美久仁小路へ行ってみたが、あいにく「ふくろ」は満員。そこで入ったのが、この店。もつ焼き大衆酒場を模倣したチェーン店で、値段は安く、店によってややバラツキはあるものの、概して味は合格点。とくにホッピーがセットで三一五円と安い(中は一八九円)ので、これを飲むのがお得。元祖のエキス入りと思われる「下町ハイボール」(三九九円)もあり、教え子たちはここで初体験。
この種のチェーン店は、大衆酒場の伝統を継承することになるのか、あるいは個人経営の店にとって脅威になるのか微妙なところ。こういう店で若者が大衆酒場の文化に触れ、これをきっかけに個人経営の名店に興味を持ち出す、という流れができればいいのだが。(2010.12.11)

豊島区東池袋1-23-3
16:00〜26:00(平日) 16:00〜23:00(土日祝) 無休