橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「こがね屋」

classingkenji2010-11-15

今日は、ふと思い立って、新宿西口から小滝橋通りに出て、大久保方向へ行ってみる。この界隈、新宿の高層ビル街の建設当時は労働者の街だったところ。あまり行く機会がないが、居酒屋が点在していて忘れてはいけない場所だ。まず入ったのは、「おとなの週末」で紹介されているのを見て、行きたいと思っていたこの店。
昨年の三月に開店したというから、かなり新しいほうの店だ。メインの料理が、炭火焼きの干物というのが珍しい。ビールはアサヒだが、プレミアムビールの「熟選」があったので注文する。お通しは、小さなししゃもをさっとあぶったもので、なかなか美味しい。串に刺して焼いた干物のお任せ五本セット(七八〇円)というのを注文すると、お時間がかかりますがというので、大山鶏の白レバー炙り刺し(五八〇円)も注文。白レバーというが、しつこいほど脂があるわけではなく、なかなか美味しい。
半分以上食べ終わった頃に、干物が出てきた。中身は日によって変わるらしいが、今日はあこう鯛、しまほっけ、さば味醂、さば文化、鮭ハラスの組み合わせ。串焼きというから小さいものを想像していたが、幕の内弁当に入っているものくらいの大きさがある。やや甘めの味付けだが、なかなか美味しい。ここで日本酒に切り替える。ワンカップ酒が五種類あり、その中から大分の智恵美人を注文。やはり干物には日本酒だなと、納得しながら食べ進む。大山鶏の料理もいろいろあり、コストパフォーマンスが良い。ときどき寄ってみることにしよう。(2010.10.29)

新宿区西新宿7-8-11
17:30〜24:00(ランチあり) 日祝休