橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

乃木坂「シェ・ピエール」

classingkenji2009-02-26

今日は、知人の日本人・フランス人夫婦と待ち合わせて乃木坂へ。向かったのは、ジビエが美味しいと評判の、このレストラン。フランス色が濃厚で、建物もパリによくあるカフェ風なら、食材の多くはフランスから空輸。応対するのもフランス人で、ときどき食材の日本名が分からなくなる。ランチメニューではジビエが食べられないというので、アラカルトで注文したのは、まずムール貝を四人でシェアして少しだけ、次がスモークした魚、海老のトマト風味、肉のゼリー寄せ、牛タンの冷製などのオードブル盛り合わせ、そして目当てのジビエは青首鴨の緑胡椒風味。妻と日仏夫婦は、それぞれ種類の違うウズラの料理を注文して、少しずつシェアして味わう。ワインは、シャンパーニュとジュブレ・シャンベルタン。ジビエの料理はたしかに美味しいが、値段がちょっと高すぎる。
帰りは、青山一丁目まで歩く。初めて歩いた界隈だが、これがなかなかおもしろい。六本木と赤坂にはさまれた吹きだまりのような場所で、窪地やその上あたりに古い建物が密集していて、都心のしかも港区とは思えない猥雑さ。一度、ゆっくり探検してみたいものである。(2009.2.22)

港区南青山1-23-10
11:30〜16:00 18:00〜23:00 月休