橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「加賀屋」

classingkenji2007-07-31

そういえば、池袋の「加賀屋」は行ったことがなかったなと思って、寄り道。池袋には「加賀屋」が二軒あるが、これはビックカメラ本店の裏手の店。入り口が狭く、急でしかも狭い落ちそうな階段を上って二階へ。ちょっと不安になったが、中は意外に広く、インテリアも加賀屋だ。まずはホッピー、そしてホヤの刺身とカシラの塩串焼きを注文。ホヤは新鮮で身も美しく、合格点。酢の物ではなく山葵醤油で食べさせるというところもいい。カシラは平均的。追加で頼んだシロのタレ焼きは、外はカリカリに焼けて中は軟らかく、ほとんど真っ黒なたれが絡んでたいへん美味しかった。加賀屋でホッピーの中お代わりを頼むと、氷と焼酎の入ったグラスをもってきて、その場で追加してくれることが多いのだが、この店はカウンターの中にいったん下げて注いでいた。ちょっと加賀屋気分が削がれる(笑)。魚料理が多く、居酒屋欲求を一軒で満たすことのできる店ではある。階段はちょっと怖いが、また行ってみよう。(2007.7.30)