橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

フォアグラと菜の花の酢の物

classingkenji2007-03-04

妻がロンドン土産に買ってきた瓶詰めのフォアグラを食べる。マニュアル通り、スライスした甘めのパンを軽く焼き、そのうえに載せてソーテルヌと合わせる。確かに旨い。お遊びでやってみたのが、これ。妻には止められたが(笑)。悪くはない。しかし、ワインにも、日本酒にも、焼酎にも合わない。「美味しんぼ」風にいえば、「味がべったりと濁っている」。やはり、これはアンキモの食べ方だ。
反対に、アンキモをフォアグラ風に料理するというのも、やってみたことがある。粉をまぶしたアンキモをバターでソテーし、バルサミコ酢を絡める。これは、美味い。フルボディはちょっとつらいが、軽めの赤に合う。ただし、当然ながらアンキモは新鮮なものでなければならない。最近はスーパーでもときどき生のアンキモを置いている。手軽に食べられるようになったのはうれしいことである。